西宮市　明るいご遺族様たち

今回も西宮市で遺品整理をさせていただきました。ご依頼者はお孫さんでした。とても可愛がってくれたおばあちゃんの遺品整理です。作業日の前日には、ご遺族様が集まってお泊りになり、ご遺品との思い出話に花を咲かされたという事です。作業の方はいつも通り順調に進み、終盤に差し掛かった頃、隣のお部屋からお手紙を読む、元気で大きな声が聞こえてきました。

「おばあちゃんへ！・・・・・・・・・・」

それはお孫さんが、小さい頃におばあちゃんに宛てたお手紙の内容でした。ご遺族様の一人が読んでおられたのです。なぜか涙が出そうになりました。

　私は14年前の、自分の祖母の遺品整理を思い出しました。当時は遺品整理の業者は存在せず、便利屋さんのような業者にお願いしました。祖母の部屋は汚れていましたが、業者さんたちは土足で部屋に上がって作業をしていました。もちろん、手紙や写真も全て廃棄されてしまいました。

「絶対にあの業者のような事はしない。ご遺族様と故人様に本当に喜んでいだきたい。」

私はその想いを決して忘れません。

　作業後、ご依頼者のお孫さんは涙を流されました。わずか数時間で空になってしまったお部屋に寂しさを感じられたのかもしれません。しかし、私には聞こえました。涙を流される直前のお孫さんの小さなお声を。

「本当にありがとうございました・・・・。」